将来の食の供給や環境への負荷の少ない循環は、手法ありきで考えるものではない
さつまいも試し堀りしました。
もうちょっと引っ張って大きくしてもよさそうですが、丁度いいサイズといえば丁度いいサイズ。
何年か前に「もっと大きくしてやろう」と欲望を膨らませ、遅めに堀りあげた結果、品質を大きく損なってしまったことがありますので、そうならないように早め早めに堀りあげていこうと思います。
芋堀りは時間もかかりますしね。
今年のさつまいもの栽培期間中は、葉を食べてしまう虫がやたらと多いのが気になっていました。
一時「これ大丈夫か??」というくらいの食害規模でしたが、収穫量にほとんど影響はなさそうなので安堵しています。
近隣農家との話しの中でも、ハスモンヨトウやナカジロシタバの発生量が凄まじいという話しがでていましたが、中には、収穫量にかなり影響がでてしまうほどに食われてしまったという人もいました。
サツマイモでもそんなことがあるんですね。
天敵が自然発生的に増えてくれるとありがたいのですが、そんな悠長なことを言っていられないという無農薬畑の現場の現実があります。
昨今、害虫管理と生物多様性の保全の両立を目指した IBM(総合的生物多様性管理)という理論が方々で語られていますが、農業分野の実験では、短期的かつ極局所的なものに限られています。
長期的かつ広域的に実験することができれば、もっと実践的な活用法に繋げることもできるのかもしれません。
しかし、繁殖サイクルの早い小さな生物たちは、次々と変異や進化を続けていきますから、人間の畑の都合に合わせて、生物同士が自然にバランスする環境を整え続けることが容易ではないのは想像に難くありません。
そもそも人間の都合で野菜という不自然なものを局所的かつ大量に植え付けている訳ですから、生物環境が自然にバランスすることを考えること自体が的外れなようにも思います。
将来の食の供給や環境への負荷の少ない循環は、手法ありきで考えるものではないと思いますので、有機農業だけが循環や生物多様性管理の最適解ではないということは大切な前提なように思います。
話しが逸れましたが、さつまいも、今年も美味しそうで食べるの楽しみ。