大量の草マルチ
草が自然倒伏し、畑にたっぷりの枯れ草が敷かれると、「また畑が育っていくなー」と気持ちが高揚します。
数年先の確信を得るために必要なことを考えるのはとても難しいことですが、自然循環の中で長期的に土を疲弊させない術がもしあるのであれば、それを深く知ろうとするために尽力し続ける人生でありたいと思います。
この時期は、春の一年草たちが種をつけ、自然に枯れゆくシーズンになります。
不耕起、耕起、栽培方法は問わず、草が種をつける前に刈り取ることを推奨する人はとても多いですが、僕の場合、緑肥などを用いない分、草々が種をこぽしてくれた方が草マルチの材料確保や有機物の補給がてっとり早く行える と考えているので、草は適当に繁殖していってもらえた方が良いくらいに思っています。
草管理なんて、非生産的なものだと思うから面倒に感じてしまうだけで、生産性や利点を生み出せるものだと認識して付き合えば、普通とは全然違った見方ができるものです。
僕は、草管理を楽しむ術とハイに入れるゾーン、利点をよく知っているので、この時期でも「ここはもう少し草を生やそうかな??」などと考えながら作業していたりします(笑)
これが僕の農業の醍醐味の一つですし、そういうことをしながら自分の生の実感みたいなものを確かめていきたいというような思いがありますので、仮にこの手法がとれないくらい(草に追われて仕方がない)になってしまうのであれば、作付け方法を見直したり、ピンポイントでマルチを使用したりして調整を試みます。
ただ、マルチや防草シートなどを使って草を抑えることを大前提とし、草管理をできる限り遠ざけたいと思っている訳でもありませんので、そこはどちらかというと自分の理想的な環境(草をなるべく生やしながら、手作業でどうにかできる範囲で畑と向き合っていく)の方を重要に考えながらバランスをとるようにしています。
その先に何があるのかは自分でもよく分かりませんが、僕は、自分の気持ちに正直に向き合い、決して適当にごまかすことをせず、納得のゆくまで進んでいくことに悪いことは一つもないと思っていることと、もがきながらも進んでいった結果、新しい自分の側面を知ることにつながるような成長体験ができるとも思っているので、未来がよく分からなかろうが、人がどう思おうが、自分の中の大切にしていることに信念を持って前に進み続けようと思っています。
と、このままいくと、肝心の草地のその後の利用方法を書くことを忘れてしまいそうなので、忘れない内に書いておきます(笑)
この時期、どっさりと草が自然倒伏したような場所は、勝手に分厚い草マルチが敷かれることになりますので、夏草が抑えられるという利点があります。
メヒシバ、オヒシバなど、繁茂すると大変になってしまうような草も結構抑え込むことができます。
また、この場所が畝間でなく畝内であれば、少し落ち着いた後に、枯れ草を掻き分け、次の野菜の植え付け場所として使っても好循環が期待できることも多いと思っています。
高温期の乾燥防止にもそうですが、地温抑制なんかにもよいですし、最終的には数々の土の栄養源を生み出してくれますので、うまく向き合い、利用できるのであれば、栽培上のメリットもとても多いと思います。
とはいえ、虫や菌も増えることは間違いありませんので、生態系バランスによっては、かえって悪循環のような結果になってしまうこともあるかもしれません。
しかし、僕は悪循環だったものが好循環に変わっていく景色を数多くみていますので、短期的には結果がでなかったとしても、突き詰めてみる価値はあるものだと思っています。
また、自然循環のような世界に魅せられているのであれば、そのトライ&エラーも素晴らしい体験となる可能性が高いとも思っています。