イノシシについて
先日、イノシシの天然耕耘の力に大きな脅威を感じたので、本腰を入れてイノシシのことを学ぶ時間を作っています。
ここ数日で何冊かの獣害対策の本を読みましたが、投稿写真で紹介させてもらっている本が、特にイノシシのことを細かく教えてくれました。
この本の著者はイノシシの行動学が専門のようで、被害を防ぐ側の農家の立場よりもイノシシの立場や気持ちの方が詳しいらしいです(笑)
そんな著者が繰り広げる本書の講座は、明日にでも役に立ちそうな知恵を数多く与えてくれました。
また、直接的な防除方法のみならず、野生動物と人間の関わりの歴史についても書かれていて、読み物としてもとても面白いものでした。
現代は、耕作放棄地の増加や農業者自体の減少の影響などもあり、獣害エリアも年々拡大していると言われていますが、本書では、「拡大している訳ではなく、元に戻りつつあるだけ」というような見方をしています。
その理由に「僕らの先祖は、今までの歴史の中で絶えず野生動物と戦ってきた歴史があり、近年は野生動物の勢力が減退していただけ」というものがあげられています。
また、野生動物の勢力減退に大きな影響を与えたであろう出来事に、「明治期の狩猟圧の高まりによる大乱獲」と「戦後の山間地大規模開拓」があげられていました。
そのようなことから、ここ100年は日本農業史の中でも、例外的に鳥獣害がそこまで大きな問題にならなかった至福の100年だったということです。
しかし、そんな至福の100年も現在終焉を迎えようとしていて、1970年代頃から、野生動物の勢力や生息域が山間地を中心に急激に拡大しているようです。
1970年代を境に、人の流れが急激に変わり、山から人の気配が消え、耕作放棄地が増え始め、狩猟者も減り始めているようですので、そうなることは自然のことなのでしょうね。
本書では、直接的なイノシシ対策についても書かれていますが、それ以前に、個々や地域で日常的にやれることをしっかりやることの大切さも訴えています。
その中で、「イノシシは極端に臆病な生き物であることから、イノシシの被害は人の動きと存在感に密接に絡んでいて、人が基本の被害対策を図りつつ、田畑や地域に人がいつもより集まっているような状態を作ることができれば、自然と被害を受ける確率は減っていく筈」というようなことが書かれています。
人が地域に入り、地域の田畑が人で賑わうことで、動物たちも自分たちの生活圏の境目を認識しやすくなり、より良い共存への道を切り開ける可能性も高くなるのかもしれませんね。
とはいえ現代は、肝心の農村に入る人の絶対数が少ないので、それがなかなか難しい問題なのでしょうが…。
しかし、最近は「人の力を使わずともテクノロジーの力で」という時代でもありますから、近い将来、A.I搭載の狩猟ロボなんてものが作られるのかもしれませんね。
「その頃には、山間地の田畑自体があまり存続していないかもしれないな……」とも思いつつ、そんなことを今考えていても仕方がないので、今は、自分の現耕作地を守るためにすぐに出来ることをやっていこうと思います。
ということで、とりあえずは罠の免許を取りに行こうと思います♪